クセ毛で毎日のセットに時間がかかる、何をやっても髪形がしっくりと決まらない、という方にとって「縮毛矯正」は髪の毛を扱いやすくするために最適な施術方法です。クセ毛さんにとっての救世主である縮毛矯正ですが、とても施術時間が長い…と思われた方も多いかと思います。そこで今回は縮毛矯正の施術にかかる時間はどれくらいなのか?人やお店によってかかる時間に差があるのか?等をご説明します。
1.縮毛矯正は時間がかかる
同じように髪の毛のクセを解消する方法にストレートパーマというものがありますが、縮毛矯正は半永久的にストレートの状態が長持ちすることや、ストレートパーマではまっすぐにすることができないような強力なクセでも簡単にまっすぐと矯正をかけることができます。
しかし、縮毛矯正といえば『時間がかかる』というイメージをお持ちの方も多いかと思います。実は縮毛矯正は熟練の美容師さんでも高度なテクニックを要するとても難しい施術なのです。髪質に合わない施術を行ってしまうと上手くストレートにならなかったり、薬剤が強すぎて髪の毛に大きなダメージを与えてしまったりする可能性があります。そのため失敗しないように、お客さんの髪の毛の状態をチェックしながら丁寧に施術を行うため他の施術よりもかなり時間がかかってしまうのです。
2.縮毛矯正の流れと所要時間
それでは、縮毛矯正の流れと所要時間をみていきましょう。
①シャンプーをする
ワックスや皮脂がついていると薬剤が浸透しづらくなってしまうので、まずは綺麗に洗い流します。
②一液剤をつけて放置する
1液剤で髪の毛のクセづいた結合を切り離します。10~15分ほど放置します。髪の毛の状態をチェックし、しっかりと結合が切れた状態になっていればOK。放置時間が足りないようであればもう数分追加で放置します。
③一液剤を洗い流す
シャンプー台に移動し、1液剤を洗い流します。場合によっては専用の道具を使い席にてすすぐこともあります。
④ブローで完全に乾かす
しっかりと髪の毛を乾かします。この時点ではまだ髪の毛の結合は切れた状態のため、髪の毛をひっぱったりして余計な負担をかけないようにする。
⑤アイロンを使って髪の毛を真っすぐストレートに伸ばす
しっかりと髪の毛をブロッキングし、丁寧に1パネルずつアイロンを当ててまっすぐにしていきます。この作業が縮毛矯正の仕上がりを左右します。毛束は太すぎず、細すぎず、美容師の技術が問われる難しい工程です。
⑥2液剤をつけて放置する
そのまま2液剤をつけて5分~15分ほど放置します。2液剤は切断された結合を再結合させるための薬剤です。髪の毛の状態をチェックし、再結合が確認できたらOKです。
➆2液剤を洗い流す
2液剤を洗い流します。この場合、シャンプーはしません。トリートメントのみでとどめます。
⑧カットが必要であれば、ここでカットにはいる
以上8つの工程を経て縮毛矯正は行われます。スムーズにいけば3時間程度ですが、パーマが当たりにくい髪質の方の場合やお店が混んでいるときには4~5時間程度かかることもあります。
3.縮毛矯正にかかる時間は人によって違う
縮毛矯正は施術にかかる時間は3~5時間と、他の施術と比べて段違いであることはご説明しました。重要な工程がいくつもあり、一つひとつ丁寧に作業しなければいけないのでどうしても時間がかかってしまうのです。また縮毛矯正の施術にかかる時間は、使用する薬剤やお客さん、技術者によっても大きく違ってくるという特徴があります。
3-1.髪質による違い
髪の毛が短い、量が少ない、クセが弱い方は、その分薬剤を塗る量も薬剤を塗ってから放置する時間もアイロンをあてる時間も短くなるため、比較的早く施術を済ませることができます。逆に髪の毛が長い、量が多い、クセが強いといった方は長い時間を要します。洗い流す作業やドライヤーを行う際にもかかる時間の差は歴然ですね。
3-2.使用する薬剤による違い
強い薬剤を使えばそれだけ反応が早くおこります。逆にゆっくりと時間をかけて反応していく薬剤を使用すればそれだけ全体の施術に時間がかかってしまいます。
3-3.技術者の腕前による違い
縮毛矯正の流れを見ていただければわかりますが、縮毛矯正をするためには髪の毛全体に薬剤を2回塗布し、シャンプーを3回、全頭にアイロン作業等を行わなければいけません。慣れていなかったり手際がよくなかったりすれば、一つひとつの作業に時間がかかってしまい莫大な時間をかけてしまうことになります。きちんとした段取りや無駄のない動きは全体の施術時間にも大きく影響を及ぼします。
4.必要な時間はかけなければいけないが、少しの工夫で時間は短縮できる
とても時間のかかる縮毛矯正ですが、忙しい毎日を過ごしている方やなかなか美容院に来ることができない人にとっては、なるべく早く済ませたいものかもしれません。短時間で縮毛矯正を行うにはより反応が早く見込める強めの薬剤を使うという手もありますがこれはおすすめしません。強い分髪の毛にかかる負担は大きく、ダメージの原因となってしまうからです。また、上手く縮毛矯正がかからなかったり逆にかかりすぎて不自然なストレートになってしまったりする可能性もあります。施術については失敗や髪の毛へのダメージが無いように必要な時間は最低限かけ、丁寧に行うべきでしょう。
しかしどうしても時間をかけることができない方は、お店が比較的込み合わない開店してすぐの午前中に予約を入れる、あらかじめあまり時間をかけることができないと美容院に伝えておくなどの工夫をすれば少しの時間短縮にはなるはずです。
また、全体的なクセよりも前髪や顔周りのクセが気になるという方であれば、前髪や顔周り、髪の毛の表面のみに縮毛矯正をかける“部分矯正”というのもおすすめです。部分矯正であれば、必要なところのみに縮毛矯正をかけるため髪の毛に余計なダメージを与えることなく、全体に縮毛をかけるよりも比較的短時間で施術をしてもらえます。
5.まとめ
縮毛矯正にはたくさんの工程があり、髪質によって薬剤の濃度や放置時間など細かな見極めが必要なため、熟練の美容師さんでも容易な施術ではなく他の施術に比べるとどうしても時間がかかってしまいます。時間がなかなかとれず、手早く済ませたい方も多いかと思いますが、施術に関しては必要な時間はかけて丁寧に行ってもらうようにし、予約を入れる時間や部分矯正を取り入れることによって、時間配分を工夫してみてくださいね。